RPP広告でROAS88%でも止めなかった。その後1,405%まで伸びた理由
楽天スーパーSALEも、いよいよ最終日の深夜を迎えようとしています。
みなさん、今回の売上状況はいかがでしょうか?
今回は、スーパーSALE直前の9月1日からRPP広告で積極的に露出を続け、9月10日を迎えたショップさんのデータを紹介します。
先に結果をお伝えすると、
9月2日:12時間ROAS 88%
9月3日:12時間ROAS 92%
という状況でも広告を止めず、露出を続けたところ、
9月2日分:720時間ROAS 1,405%
9月3日分:720時間ROAS 1,667%
という結果になっています。
※数値は2026年9月10日時点の途中経過です。
ROAS88%。
広告費を1万円使って、計測された売上は8,800円です。
原価や送料まで考えると、
「この広告、止めた方が良いのでは?」
と思いますよね。
しかし、私は止めませんでした。
なぜなら、スーパーSALE直前は、
「クリックしたけれど、まだ買っていない」
というユーザーがいると考えていたからです。
今回のデータは、事前の露出を短時間のROASだけで判断してはいけないことが伝わる事例です。
12時間ROASと720時間ROASでは、見ている範囲が違う
今回確認するのは、
・ROAS(合計12時間)
・ROAS(合計720時間)
の2つの指標です。
大きな違いは、広告をクリックした後、どこまでの期間の購入を成果として見るかです。
12時間ROAS
広告クリック後12時間以内の対象売上をもとにした数字。
720時間ROAS
広告クリック後720時間、つまり30日以内の対象売上をもとにした数字。
ここで大切なのは、
「12時間では成果に入らなかった購入が、720時間では含まれる」
ということです。
例えば、9月2日に広告をクリックして商品を確認し、9月4日のSALE開始後に購入した場合。
クリックから12時間を超えているため、12時間ROASでは捉えられなくても、720時間の計測対象には入る可能性があります。
なお、今回の数字は9月10日時点の途中経過です。
「720時間ROAS」と表示されていても、すでに30日間の計測が完了しているわけではありません。
実際の数字を見ると、評価が大きく変わる
【9月1日】
12時間ROAS:260%
720時間ROAS:844%
【9月2日】
12時間ROAS:88%
720時間ROAS:1,405%
【9月3日】
12時間ROAS:92%
720時間ROAS:1,667%
※いずれも2026年9月10日時点の確認値です。
特に注目したいのが、9月2日と3日です。
12時間ROASだけを見ると、どちらも100%を下回っています。
しかし、720時間ROASでは、それぞれ1,400%、1,600%を超えています。
クリック直後の売上だけでは捉えられなかった成果が、時間を置いて計上されているということです。
ここは誤解してほしくないのですが、
「12時間ROASの88%が、後から1,405%になった」
という意味ではありません。
同じ日の広告クリックに対して、成果を見る期間を広げると、評価が大きく変わるということです。
9月1日〜3日は「購入前の検討期間」
スーパーSALEが始まる前から、ユーザーは商品を探しています。
どの商品を買うのか。
どのショップで買うのか。
クーポンはあるのか。
SALE開始まで待つべきか。
購入ボタンを押す前に、こうした比較や検討が行われています。
今回のショップさんでは、9月4日20時からスタートダッシュクーポンを実施していました。
事前に商品を見てもらい、SALE開始後にクーポンをきっかけとして購入してもらう。
今回の結果は、その流れと整合的です。
ただし、12時間と720時間のROAS比較だけで、購入が9月4日〜5日に集中したとまでは断定できません。
正確な購入タイミングは、別途売上推移などと合わせて確認する必要があります。
それでも、短時間の数字だけでは見落としてしまう成果があったことは、この差から読み取れます。
SALE開始時点で、すでに比較が進んでいる
私は、9月1日〜3日を、
「種まき期間」
と考えています。
この期間に、検索画面で商品を見つけてもらう。
商品ページを確認してもらう。
購入候補の一つに入れてもらう。
そのための露出です。
9月4日20時が近づいてから広告を強める施策にも意味はあります。
ただ、その時点では、すでに購入候補を決めているユーザーもいるはずです。
SALEが始まってから見つけてもらうだけでなく、始まる前から検討の対象に入っておく。
この違いは小さくないと思っています。
低ROASだからといって、すぐに止めなかった理由
9月2日は88%。
9月3日は92%。
この数字を見て、広告を弱めたり、止めたりしたくなる気持ちは分かります。
ただ、今回私が重視したのは、
「今は、すぐに購入するタイミングなのか?」
ということです。
SALE開始を待っているユーザーが多い時期に、クリック直後の購入だけで広告の良し悪しを決めてしまう。
それでは、購入前の接点まで削ってしまう可能性があります。
こちらのショップさんでは、9月のRPP広告全体のROASが一時約200%だったところから、9月10日時点では約1,200%まで上がっています。
※この数値は月間の集計値であり、上記の日別ROASとは分けて見ています。
事前の広告露出に加え、開始直後のクーポンなど、購入を後押しする施策が重なった結果だと考えています。
「イベント前は絶対に広告を弱めるな」という話ではない
今回の結果を見て、
「イベント前なら、どんな商品でも広告を出し続ければ良い」
と考えるのは違います。
広告費には上限があります。
商品ページに課題がある場合もあります。
アクセスを増やしても、購入につながらない商品もあります。
だからこそ、
・過去に時間差で売上が計上されているか
・SALE時に購入を後押しする施策があるか
・値引きや広告費を含めて利益を確保できるか
・在庫や予算に無理がないか
を確認する必要があります。
今回伝えたいのは、
「イベント前の12時間ROASが低いという理由だけで、機械的に止めない」
ということです。
低ROASを放置するのではなく、その低さが何を意味しているのかを考える。
ここが運用判断の違いだと思っています。
「12時間ROASだけを見る」は、判断を誤る可能性がある
「RPPは720時間ROASではなく、12時間ROASを見るべき」
という意見を見かけることがあります。
私は、どちらか一方だけで判断する考え方には賛成できません。
12時間ROASは、クリック後の短時間の反応を見るために役立ちます。
720時間ROASは、検討期間を挟んだ購入まで含めて評価するために役立ちます。
見る目的が違うのです。
今回、12時間ROASだけで判断していたら、
「ROAS88%の成果が悪い広告」
で終わっていたかもしれません。
しかし、9月10日時点の720時間ROASでは1,405%です。
同じ日の広告でも、見る範囲によって評価はこれだけ変わります。
まとめ:広告の成果は「すぐに買ったか」だけで決めない
今回あらためて感じたのは、
スーパーSALE開始前の露出と、開始後に購入してもらう仕掛けを、セットで考える重要性
です。
9月1日〜3日に商品を知ってもらう。
比較・検討してもらう。
そして、SALE開始後の購入につなげる。
広告の役割は、その場ですぐに売ることだけではありません。
「後で買う商品の候補に入る」
ことにも意味があります。
もちろん、この1事例だけで、すべてのショップに同じ運用が当てはまるとは言えません。
それでも、
12時間ROAS88%。
720時間ROAS1,405%。
この差を見れば、短時間の数字だけで結論を出す危うさは伝わると思います。
ROASが低いから止める。
その前に、
「まだ買われていないだけではないか?」
という視点を、一度持ってみてください。
著者プロフィール
株式会社ecの便利屋
代表取締役 原 定晴(はら さだはる)
楽天市場専門サポート事業
~小さな物販を大きく育てる~
自社で出店した楽天ショップを、出店7年目で年商7,000万円へ成長させた「現場出身」のECコンサルタント。
自らの出店経験をもとに、中小EC事業者様の利益を第一に考えた、実践的な伴走支援を行っています。
2024年9月に「株式会社ecの便利屋」として法人化。
専門領域
・RPP広告運用代行
・楽天SEO
・商品ページ改善
・店舗運営支援
強み
厳しい競争の中で自らショップを運営し、売上を伸ばしてきた「現場目線」の実践ノウハウ。
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