楽天市場で広告費0円は本当に得なのか?RPP広告を停止して分かったこと
弊社が楽天市場で運営代行を行っているショップ様から、次のようなご要望がありました。
「広告費を一旦0円にして、1か月運営してほしい」
もちろん、広告を完全に停止することで考えられる影響については、事前に何度もご説明しました。
RPP広告を停止すると、
・検索結果でのPR露出が減る
・商品ページへのアクセスが減る
・広告経由の販売件数がなくなる
・販売数の減少により、検索順位にも影響する可能性がある
・広告を入口としたショップ内回遊が減る
といったことが想定されます。
しかし、クライアント様からは、
「広告費が本当に売上へ貢献しているのか、効果測定の意味でも一度止めてみたい」
とのご意向がありました。
そこで、クライアント様の了承を得たうえで、
7月の1か月間、RPP広告費を0円にするテスト
を実施しました。
1か月間、RPP広告を停止した結果
結果は、
売上:前年比−32.7%
アクセス数:前年比−28.5%
となりました。
正直に言うと、
「あかん……やばい……」
という結果です。
もちろん、今回の売上低下が、全てRPP広告の停止によるものだと断定することはできません。
売上には、
・市場全体の動き
・競合商品の価格や施策
・季節性
・在庫状況
・クーポンやポイント施策
・商品ページの状態
など、さまざまな要因が影響します。
なお、クーポンやポイント施策については、前年と同等以上の内容で運用していました。
そのため、広告を停止したことで商品露出とアクセスが減り、
売上低下の一因になった可能性は高い
と考えています。
広告費を0円にすると、広告費だけが減るわけではない
広告を止めれば、当然ながら広告費は発生しません。
そのため、短期的には経費を削減できます。
しかし、広告費を削減した結果、
・アクセス数が減る
・販売件数が減る
・売上が減る
・新規顧客との接点が減る
・検索順位や商品の勢いが弱くなる
のであれば、単純に、
「広告費を節約できたので、粗利が改善する」
とは言えません。
重要なのは、広告費を使ったかどうかではなく、
広告費を使うことで、売上や利益がどれだけ増えていたか
です。
例えば、広告費を10万円削減できても、利益が20万円減ってしまったのであれば、結果として経営にはマイナスです。
反対に、広告費を10万円使うことで、それ以上の利益を生み出せているのであれば、
広告費は単なる経費ではなく、売上を作るための投資
になります。
広告効果を確認するために、完全停止は必要だったのか
今回、1か月間広告を完全に停止したことで、広告を止めた場合の売上推移を確認することはできました。
ただ、実務的には、いきなり広告費を0円にする以外にも効果を確認する方法はあります。
例えば、
・広告予算を段階的に減らす
・一部商品のみ広告を停止する
・ROASやCPAが悪い商品だけ除外する
・売上の中心商品は残し、それ以外を停止する
・広告経由売上とショップ全体売上を比較する
・前年同月だけでなく、直近数か月の推移も確認する
といった方法です。
広告の全面停止は、売上への影響が大きくなりすぎる危険性があります。
広告効果を検証したい場合は、
売上への影響を抑えながら、商品単位や予算単位で段階的にテストする
方が安全です。
8月からRPP広告を再開します
今回の結果を受けて、8月からRPP広告を再開する予定です。
ただし、以前と同じ設定へ、そのまま戻すわけではありません。
・どの商品で売上が落ちたのか
・広告停止後にアクセスがどれだけ減ったのか
・検索順位にどのような変化があったのか
・広告を再開すべき商品はどれか
・広告を使わなくても売れている商品はどれか
を確認しながら、広告運用を再構築します。
売上が落ちたからといって、全商品へ一律に広告費を投入するのではありません。
売上と利益への貢献が期待できる商品から、優先して広告を再開する予定です。
そういった意味では、今回のテストによって、
・広告を止めると影響が大きい商品
・広告を使わなくても売れる商品
・広告再開を優先すべき商品
を確認するための良いデータが取れたと、前向きに捉えています。
広告費を減らすことが目的になってはいけない
RPP広告は、使えば必ず売上が伸びるわけではありません。
成果が悪い商品へ広告費を使い続ければ、利益を圧迫します。
そのため、
・売れない商品を除外する
・CPCを見直す
・キーワード入札を精査する
・商品ページを改善する
・利益に合った広告予算を設定する
・SEOを見直す
といった調整は必要です。
しかし、
広告費を減らすこと自体が目的になってはいけません。
本来の目的は、広告費を抑えることではなく、
利益を確保しながら、ショップの売上を伸ばすこと
です。
今回のテストでは、広告を止めることで売上へどの程度の影響が出るのかを、改めて確認する結果となりました。
広告費0円が最も効率の良い運用とは限らない
広告費0円。
一見すると、最も効率の良い運用に見えます。
しかし、売上と利益まで大きく減ってしまえば、それが最適な選択とはなりません。
広告費を使うことが正解なのか。
広告費を削ることが正解なのか。
これは、広告費の金額だけでは判断できません。
広告費を使った結果、ショップ全体の売上と利益がどのように変化したのか。
ここまで確認して、初めて広告運用の良し悪しを判断できると思います。